学びの生活|中村公平のブログ
劇団レトロノート代表ナカムラコウヘイの日々思うこと。

#1485『肉体改造クラブ・女子高生版、終幕』

 

 

ツイッターでは書かせて頂きましたが、改めて。

劇団ハーベスト第15回公演『肉体改造クラブ・女子高生版』が無事幕を降ろしました。

ご来場、ご声援、誠にありがとうございました。

 

このブログ、もう閉鎖したんじゃ無いかってくらい書いてなかったです。

ほんと我ながらヒドイですね(笑)

 

ブログの下書きには「明日の君とシャララララ」の公演後記の続きやら、DOLLの事やらの記事が途中で止まっています。書いては消してを繰り返すうちに時期を逸するという感じです。

 

肉体改造クラブに関しては書きたいですね〜、ちゃんと。というか、前作DOLLの事も含めて。

 

ひとまず、劇団の事を書きます。

 

今作は劇団としては初めて、劇団員よりも多くのゲストを招いての公演となりました。必然的にいつもとは違う空気が座組みの中に流れていました。が、ここはやはりハーベストの公演、劇団員の作り出す空気感は良くも悪くもありました(^_^;)

 

アフタートークでもありましたが、今回は劇団員の参加者が少なく、稽古開始時は客演なども重なっていて、望月瑠菜と篠崎新菜しか劇団員がおらず、2人ががむしゃらに動いていました。様々な打ち合わせから、稽古場の掃除、アップの仕切りまで。今まで見たことのない姿をたくさん見られました。

 

劇団員の役割分担もより明確に。

望月瑠菜は衣装の管理やメンテを行う衣装担当、さらに第1話の演出助手を。

高橋紗良はいつも通り職人のごとく小道具担当、さらに第3話の演出助手を。

川畑光瑠は座長としての取り仕切りと演出助手筆頭を。

宮武佳央はグッズの企画から準備までグッズ担当、さらにダンスリーダー。

篠崎新菜は掃除やお弁当準備など制作雑務担当、さらに第2話演出助手を。

 

劇場に入ってからは広瀬咲楽が、垣根を超えてみんなのサポートとして動き回っていました。もちろん葛岡有も加藤梨里香も劇場に来たら掃除や雑務を一生懸命手伝っていました。

 

 

マネージャーさん達にたくさん助けてもらいながら、少数になった劇団ハーベストは、より『劇団』らしくなってきたなと思います。これまで以上に劇団員が雑務をこなしながら、俳優としての仕事もする。もっとも劇団らしい公演だったと言っても良いと思います。劇団員がここまで動けていなかったら公演自体が成り立たなかったと言っても言い過ぎではない気がします。もちろん、上を見ればそりゃもっともっととなるけど。

 

誰よりも早く稽古場に入り掃除をし、最後まで稽古場に残って後片付け。これを繰り返しながら俳優として役作りをする苦しさを僕は知っている。。。

 

そうなると『客演の方が楽〜』って思いがちだけど、客演は客演で、座組にリスペクトを持っていれば「自分次第でこのカンパニーは終わってしまうかもしれない」という恐怖と闘う事になるわけで。どっちがどっちとも言えないですね。

 

どちらにせよ、一番に『来て下さるお客様の為なら当たり前だよ!』ってとこに落ち着くわけです。綺麗事でも何でもなくて、リアルに。

だって来て下さる方がいなかったら、僕らの仕事は成り立ちませんから(>_<)

 

7年間言い続けてきた事が、ようやく彼女達の実際の状況と深く結びつく時期となってきました。『あー、この事を言ってたのね』というのが、ここ数年の公演でみんなハッキリと理解してきたように思います。

 

劇団云々とは関係なく、少しの負荷や、自らを追い込む緊張感が、俳優としても人としても一段上に上げてくれる力になります。前作『DOLL』からとても良い流れができている気がします。

 

 

劇団ハーベストは結成から丸7年が経ちまして、1月末に8年目に突入しました。

 

ここ数年は、毎公演ごとに卒団者が出て寂しい限りですが、彼女たちも小・中学生からハーベストを始め、成人になる時期になった今、自分の人生をきちんと見つめるタイミングなのだと思います。

 

明日の君とシャララララでは、布施日花梨、久保田紗友、井上結愛が卒団。

DOLLでは、山本萌花、弓木菜生が卒団しました。

そして、今回、肉体改造クラブでは広瀬咲楽も卒団しました。

 

毎日のように一緒にいた仲間がいなくなるのはとても寂しい事ですが、彼女たちの前途を祈る気持ちはそれ以上のものがあります。みんな自分の選んだそれぞれの道で頑張っています。公演も観に来てくれるので、その時は同窓会のような気持ちになります。

 

そんな中でも、篠崎新菜がカムバックしてすでに1年。戻ってくるメンバーがいるなんて人生、本当に何があるかわかりません(^ ^)

 

引き続き、加藤梨里香、望月瑠菜、高橋紗良、川畑光瑠、宮武佳央、篠崎新菜、葛岡有は劇団活動と個人活動、両方を頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

さあ、次は作品のこと、卒団したメンバーのこと、いろいろ書くぞ!

絶対、書くぞ!!

言葉は溢れてる。

・・・それが活字なるとは限らないけど(^_^;)

 

では、また。

【2019.03.07 Thursday 15:01】 author : レトロナカムラ| 学びの生活 | comments(1) | - |
#1484『シャララララ公演後記』

 

劇団ハーベスト『明日の君とシャララララ』が無事幕を降ろしました。

たくさんのご来場、ご声援、改めてありがとうございました。

 

劇団としてはじめての再演でした。初演は2015年3月。僕の娘が産まれたのもこの初演の稽古中でした。稽古場でみんながサプライズでお祝いしてくれました。あれから早3年。娘も3歳になり、言葉を話しています。劇団員の事も覚え、『さゆー、にーなー、ひかるー』とお姉さん達を呼び捨てにしながら、たまにみんなと遊んでもらっています(笑)

 

さて、再演です。

再演ですが、毎度の事ながらハーベストの作品の最高傑作を毎回更新するべく創作をする気持ちはいつも通り。ただし、再演なのでよりブラッシュアップし、細かな修正や追記をしながらの稽古でした。

 

基本的に本の修正は稽古をしながら。演出的にどうしても『桜』というものを、ずっとこの家族を見ている象徴にしたかったので、微妙にストーリーの流れに変化を付けました。スピンオフでもそれは活かされました。1964と2018。ずっと変わらず「そこ」に居続けてくれる存在。この桜を軸に光央と聖、香織と里香、紘音と優衣、そして石田と美津子、そこに清子と鉄家が守り人のようにいる。そんな構造を描き創りました。

 

 

ご覧いただいた方はお分かりの通り、この物語は、メインのお話以外にそれを取り巻くストーリーがいくつも存在します。それを一括りに束ねる要素として桜を具現化しました。さらに紘音と優衣の関係性も初演とは少し変化を加え、より演者たちにリアリティを持たせる工夫をしました。

 

もうひとつ。僕が歳を重ねたからか、今回は子供の自立よりも「大人」の自立の物語として重点を置きました。長峰みのりさん演じる香織。娘を愛するが故の重い優しさ。いつの間にか子どもを苦しめていた親の心の揺れを見事に演じて下さいました。みのりさんには稽古序盤で「初演よりも優しいニコニコしている母でいてください」とお願いしました。むしろそれくらしかお願いしていません。でも、すぐに意図を察してくれたみのりさんは終盤にいくに連れて、娘への執着を強めてくれました。娘の本音を聞いた時の大きく揺らいだ母親の自己。自分で演出しておきながら心がギュッと苦しくなる日々でした。長峰先輩、さすがでした。

 

と、こんな細かい話はどうでもいいか(笑)

昨年末の創作過程を語るアフタートークの評判が良かったので、調子に乗りました笑

 

今回、主演の「のあ」を演じたのは劇団員になって3年目、初主演の葛岡有。彼女の持つキラキラとした真っ直ぐさが物語を凛と立たせてくれました。ダメ出しは限りなく続きましたが、何とか最後まで立ち続けました。これからの葛岡にどうぞご期待下さい。

 

他のキャストの話や、スピンオフの話もまたかけたら書きます。卒団した3人のことも。

 

 

ありがとうございました〜!

続きを読む >>
【2018.04.06 Friday 12:06】 author : レトロナカムラ| 学びの生活 | comments(3) | - |
#1483『稽古場から』

 

 

久しぶりのブログです。

毎日、稽古の日々です。

 

しかも明日と明々後日は、カンムリプロデュース『納豆女と爪噛み男。』の本番ですって(笑) 有り難いけど大変だ(>_<)

 

カンムリの方は、劇団ハーベストの篠崎新菜と一緒にゲストとして3ステージだけ出演させていただくのですが、ゲスト云々よりもですね、メインのキャストの皆さんが、まぁ愉快(^^) 冠仁くん、よく集めたなぁという感じです。

 

そして、まっさんこと益永あずみさんの本がまたニヤッとしながら、ウッとボディに効いてきます。このキャストとこの本なら楽しくなるよ、そりゃ!って感じです。

 

僕と新菜は、まずは初日の邪魔にだけはならないように心掛けます(笑)新菜は初客演で、僕自身も新菜と初共演ですから、初めてだから仕方ねーよってな具合の、いい意味で開き直りつつ(笑)、メインキャストの皆さんに身を委ねたいと思います。

ぜひ、劇場に足をお運びください。

 

 

 

そして、3月末には劇団ハーベスト第13回公演『明日の君とシャララララ』の稽古も進行中です。劇団ハーベストも7年目に突入し、これまで特別公演も合わせると19作品一緒に創ってきました。こりゃなかなかの数です。

 

そして、結成時に小中高生だったメンバーが、高校を卒業、さらに成人になる年月が経ったわけです。

 

今年から主宰を山本萌花が、座長を加藤梨里香が務める事になり、2人と密にコミュニケーションを取りながら創作しています。

 

新たなハーベストの可能性と方向性を模索しながらの創作なので、自ずと初演とは異なる空気感になります。これが、良い意味で劇団の発展に繋がるようにしていきたいと思います。

この密なコミュニケーションが取れる関係と、何となくでも考えている事がわかる感覚が僕らの7年の積み重ねであり強みだと思っているので、ここを萌花と梨里香と存分に発揮しながら稽古に臨んでいます。

 

まだまだ全貌は見えていませんが、こっからこっから!たくさんのお客様に楽しんでいただけるよう、常に最高傑作更新を目指して、最後まであがきたいと思います。

続きを読む >>
【2018.03.06 Tuesday 16:14】 author : レトロナカムラ| 学びの生活 | comments(1) | - |
#1482『謹賀新年2018』

あけましておめでとうございます。

2018年になりました。

 

201701.jpg

 

またひとつ歳を重ねるわけだ。。。

時の流れる速さに振り落とされそうです。

 

さて、2017年も刺激の多い年となりました。年末に家族ともども風邪をひいてしまい振り返りのブログが書けなかったのでここで。。。

 

201702.jpg

 

2月、劇団スーパー・エキセントリック・シアターSET LABO『絢爛とか爛漫とか〜モダンガール版〜』演出。

年明けすぐに稽古、パワフルなSET女子達に感動した2017はじめ。密度の濃い4人芝居を創りました。素晴らしい本、キャストスタッフの皆さんに感謝感謝でした。本当に飯島早苗さんの戯曲が素晴らしくて、稽古中も笑い泣き心をグッと掴まれました。それを若きSETの女優陣がたった4人で2時間の物語を紡ぎました。年始から、とても素敵な公演に関わる事ができました。ありがたき2017はじめ。

 

201703.jpg

 

3月、劇団ハーベスト『杜町ペッパージャム』演出。

ハーベストの新しい形が見え始めた2017春。芝居×音楽を2016年から色々な形で試してきた事の集大成、でもってスタート地点。広瀬咲楽の素晴らしい楽曲と益永あずみ(まっさん)のウィットでありながらも人生の分岐点に立つ女子たちの心を捉えた脚本のコラボレーション。春らしく心地よい作品となりました。ライブと芝居、まだまだ可能性がありそうだと感じた2017春。

個人的には、娘が2歳になり言葉を覚え始め、人間ってこんな風に学習していくんだとワクワクした2017春。

 

201704.jpg

 

4月、はぶ談戯『夫婦台風』出演。

久しぶりに役者として芝居を創り、自分の出来なさ具合に愕然とした2017春。普段ダメ出ししている事を見事に自分にも言われるという何とも言えない経験をしました(笑) 役者って大変だよ!というのを改めて感じ、演出ももっと優しくしようと思った2017春。ついひと月前にハーベストに出したダメ出しをまんま出されるという・・・笑

客観性と主観性、お芝居って奥が深いよねとつくづく感じた2017春。

 

201706.jpg

 

6月、ネクスト『ここは私の家だって!』演出。

四十路にもなり、自分が思っていたより身体から疲れが抜けにくくなっている事を実感し始めた2017梅雨。またもや益永あずみと悶絶する日々を送った2017梅雨。新人だらけの公演はとても難しい。自分の語彙力や説得力がもっと必要だと感じた2017梅雨。

できるできないじゃない、やるかやらないかだ、「自分との勝負」を強く感じた2017梅雨。

 

201708.jpg

 

8月、劇団ハーベスト『錦芸能舎の夏』演出。

オリゲキ×劇団ハーベストのコラボ企画。錦織純平さんのお陰で見た事のないハーベストを見る事ができました。愉快な夏でした。ただ、新しい事に挑戦すると賛否あるもので、それもまた劇団員と一緒に全員で受け入れて前に進む原動力となりました。常に僕らは観てくれる方の為に創作する。当たり前です。でも、時にうまく伝わらないこともある。でも、愛があるからこその賛であり、愛があるからこその否であると思うのです。一生懸命応援し続けてくださる方は必ずいるから。大切に思っていれば大切に思ってもらえる。どんな時も喜んでもらえるようにこれからも!とハーベスト達とかたく誓い合った2017年夏。

 

201710.jpg

 

10月、さいたまスーパーアリーナワークショップ『チームたまーりん』講師・演出。

年明けからこの10月の発表公演が終わるまでほぼ休みがなかった2017秋。

子どもの真っ直ぐさに毎年圧倒されるさいたまWS。今年は過去最多の参加者でハーベストたちにもお手伝いをお願いしました。彼女たちが子どもたちに演劇を教える姿も様になってきました(^ ^)夏からの2ヶ月間、参加してくれた子供たちにとって、演劇を好きになってなんて言わないから、友達と何かしたくなる、何か生み出したくなるそんな楽しい思い出・経験になっていればいいなと思います。ふとあの時楽しかったなと思えるような。だいぶおっさん化してきました2017秋。

 

201712.jpg

 

12月、劇団ハーベスト冬の特別公演『この泥棒ネコッ!〜お後がよろしくないようで〜』演出。

今年最後も益永あずみとタッグ。企画や本の初期段階から話し合いを何度となく重ねることのできる、とても気の合う作家さん。本が上がってからも、お互いに躊躇なく意見を交換し変更や改訂をいれられるのも我々の強み。

作品は、宮武佳央プロデュース。落語を取り入れた滑稽話。最初の構想で「全体を狂言回しの落語でした」みたいに出来ないかねぇなんて無茶なこと言ってみたり、全員分終わりを変えちゃおうか?みたいな無理を言ってみたり(>_<)その度にまっさんは必死に頭を悩ませてくれました。

 

そして、これまでにないほどキャストに委ねた今作品。ポイントの演出は細かくつけましたが、点と点を結ぶ作業はそれぞれの俳優にかなりの部分託しました。次のステップに立つには必要な過程。でも、お客様から時間とお代を頂戴している以上、それ以上のものを創り上げねばなりません。僕には僕なりの譲れない箇所もあり、そこは非常にうるさく言い続けました。

 

噛み合わない会話、足りない熱、決めたポイントの通過作業、自分の役割、シャッフルキャスト、落語の練習・ダメだし、スタッフワーク、次から次へと押し寄せる難題を、まさに一丸となって乗り越えた2017冬。

 

お客さまには過程は関係ありません。結果が全てです。そこを肝に銘じつつ、痛快なほど必死に汗をかいた3週間でした。現時点での最高到達点かどうかはそれぞれの判断ですが、劇団員は少なくとも夏より前に上に進もうとしていたのはわかりました。

 

倒れる時は前のめり。仲代達矢さんも言ってました。最終的に「己が楽しんでいるかだけだから。」観ている人は必死になっている俳優の生き様を、思い切り楽しんでいる俳優の姿を観に来るんだから。エゴかもしれないけれど、そういう仕事なのだと。

 

「なんかわかんないけど、夢中だった。楽しかった」という感覚が僕らを飲み込んでいた2017冬・打ち上げ。まずは己が楽しむという事を一生懸命できたのだと思います。今までと異なる第一歩。

 

まだまだイケる。まだまだいかないと。伸び代はまだまだある。止まったらそこまで。劇団ハーベストはきっとまだまだいきます。

 

 

!?

おいおい今年は3作品も益永あずみと作品を創ったぞと気づいた2017年末。ずいぶん前の写真ですが、盟友です。

 

 

見事に家族揃って体調を崩し、楽しみにしていた忘年会にも参加できずじまい。。。

 

でも、その分、きっと2018年は面白くなる。底からのスタートですから(笑)

今年はもっともっと勉強しなくちゃ。演劇って知れば知るほど深みにハマる。たくさんのお芝居や映画を見、本を読み、人と出会い、練習し、研究し、そんな「学びの一年」にしたいと思います。

 

そして、2018年も月並みですが、より愉快により深くより丁寧にお芝居を創っていきたいと思います。今年もたくさんの出逢いに恵まれますように。今年も井上ひさしさんの言葉を胸にもって。

 

むずかしいことをやさしく、

やさしいことをふかく、

ふかいことをおもしろく、

おもしろいことをまじめに、

まじめなことをゆかいに、

ゆかいなことはあくまでもゆかいに。

 

 

本年もよろしくお願いいたします!

続きを読む >>
【2018.01.01 Monday 23:51】 author : レトロナカムラ| 学びの生活 | comments(2) | - |
| 1/383PAGES | >>