
劇団ハーベスト『明日の君とシャララララ』が無事幕を降ろしました。
たくさんのご来場、ご声援、改めてありがとうございました。
劇団としてはじめての再演でした。初演は2015年3月。僕の娘が産まれたのもこの初演の稽古中でした。稽古場でみんながサプライズでお祝いしてくれました。あれから早3年。娘も3歳になり、言葉を話しています。劇団員の事も覚え、『さゆー、にーなー、ひかるー』とお姉さん達を呼び捨てにしながら、たまにみんなと遊んでもらっています(笑)
さて、再演です。
再演ですが、毎度の事ながらハーベストの作品の最高傑作を毎回更新するべく創作をする気持ちはいつも通り。ただし、再演なのでよりブラッシュアップし、細かな修正や追記をしながらの稽古でした。
基本的に本の修正は稽古をしながら。演出的にどうしても『桜』というものを、ずっとこの家族を見ている象徴にしたかったので、微妙にストーリーの流れに変化を付けました。スピンオフでもそれは活かされました。1964と2018。ずっと変わらず「そこ」に居続けてくれる存在。この桜を軸に光央と聖、香織と里香、紘音と優衣、そして石田と美津子、そこに清子と鉄家が守り人のようにいる。そんな構造を描き創りました。

ご覧いただいた方はお分かりの通り、この物語は、メインのお話以外にそれを取り巻くストーリーがいくつも存在します。それを一括りに束ねる要素として桜を具現化しました。さらに紘音と優衣の関係性も初演とは少し変化を加え、より演者たちにリアリティを持たせる工夫をしました。
もうひとつ。僕が歳を重ねたからか、今回は子供の自立よりも「大人」の自立の物語として重点を置きました。長峰みのりさん演じる香織。娘を愛するが故の重い優しさ。いつの間にか子どもを苦しめていた親の心の揺れを見事に演じて下さいました。みのりさんには稽古序盤で「初演よりも優しいニコニコしている母でいてください」とお願いしました。むしろそれくらしかお願いしていません。でも、すぐに意図を察してくれたみのりさんは終盤にいくに連れて、娘への執着を強めてくれました。娘の本音を聞いた時の大きく揺らいだ母親の自己。自分で演出しておきながら心がギュッと苦しくなる日々でした。長峰先輩、さすがでした。
と、こんな細かい話はどうでもいいか(笑)
昨年末の創作過程を語るアフタートークの評判が良かったので、調子に乗りました笑
今回、主演の「のあ」を演じたのは劇団員になって3年目、初主演の葛岡有。彼女の持つキラキラとした真っ直ぐさが物語を凛と立たせてくれました。ダメ出しは限りなく続きましたが、何とか最後まで立ち続けました。これからの葛岡にどうぞご期待下さい。
他のキャストの話や、スピンオフの話もまた次の記事で書きます。卒団した3人のことも。

ひとまず長くなりそうなので、公演後記その1はここまで。
ありがとうございました〜!